はくばSPF豚農場だより 第3号 第3号  発行日 平成20年 8月26日
発行者  全農長野県本部  本部長 竹内 守雄
      大北農協協同組合 組合長 西山 隆芳
北安曇郡白馬村大字北城15917-12  TEL 72-2716
http://www.hakubanobuta.com/

 

朝夕日毎に涼しくなり、さわやかな季節を迎えました。皆様には御健勝でお過ごしのこととお慶び申し上げます。また、平素よりはくばSPF豚農場につきまして、格別なご理解と御協力を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、はくばSPF豚農場の臭気対策につきまして、ご報告を申し上げます。

 


1. 炭脱臭装置を増設しました

炭脱臭装置を新たに四ヶ所設置し、6月より稼動を始めました。 ※画像をクリックすると、大きな画面でご覧いただけます→

 

2. 臭気調査を定期的に行っております

昨年に引き続き、県・村主体で6月から臭気調査を行い、周辺地域の方々に対する臭気の状況を確認しています。

■臭気調査後、新たにとった対策
 

(1) 風の少ない朝方、周辺に臭気が漂うため、その時間帯の除糞作業を日中に行なうよう作業工程を見直しました。
 
(2) 脱臭装置のメンテナンスを行い、臭気の軽減をはかりました。今後も施設内の脱臭装置の点検を今までよりも強化し、脱臭効果が落ちればすぐに交換する等の対策を行います。
 
(3) 堆肥化施設の臭気を軽減するため、酵素剤の試験を行いました。残念ながら高い効果の感じられる資材は今回の試験では見つけることができませんでした。今後も良い資材があれば継続して試していく予定です。

6月・7月の臭気調査の結果につきましては、「SPF豚農場周辺地区における臭気調査結果」をご覧下さい。

 

炭脱臭装置 新規設置箇所
炭脱臭装置 新規設置箇所

3. 空気調和装置を試用

今回の調査では、比較的感知しにくい弱い臭いが感じられました。現在、これらの臭いを緩和する効果を期待して、空気調和装置を用いて『マスキング剤』を散布する試験を実施しています。

マスキング剤の臭いは森林の香り・フルーツの香り等ありますが、ウォッチャーさんや地域の皆さんのご意見も伺いながら使用の可否について検討していきたいと考えております。

 

4. 第3回臭気調査を実施します

第3回の臭気調査は8月29日、第4回目を9月中旬〜下旬に予定しております。

 


空気調和装置

5. 当農場の防疫対策について

当農場は、SPF豚農場として(法)日本SPF豚協会の認定を受けた農場です。
SPF豚農場とは、一定の疾病を持たない豚を飼育する管理方法で、疾病状況、薬剤の購入状況、飼育成績などを協会に報告し、認定委員の方の審査を受け、一定の基準をクリアして初めて認定されます。また、その有効期間は一年で、毎年審査を受けて認定の更新をしなければなりません。
よって、農場内に疾病が進入することには特に注意を払っております。
そのため、一般の皆さんに農場内をご覧頂くことは、ご遠慮させて頂いておりますので、ご理解をお願い致します。

 

6. 今年の炭の交換日について

今年度実施したの炭の交換日は、下の表の通りです。

炭交換実施日
離乳舎 分娩舎 種豚舎 浄化槽 肥育舎A 肥育舎B 堆肥舎
北側 南側 北側 南側 北側 南側   南側 北側 東西
既設 新設 既設 新設 既設 新設 新設 既設   既設 既設 既設
4/26   4/26         4/30 4/11 4/25 4/24  
5/28 5/29
稼動
5/28 5/29
稼動
5/5 5/29
稼動
5/29
稼動
  5/28 5/28 5/29 5/7
7/18 7/18 7/18 7/16 7/16 7/17 7/17


 

SPF豚農場周辺地区における臭気調査結果


【当日の気象状況】
朝方は風が無く、9時過ぎから比較的強い南風が吹きました。午後7時半以降は風が弱まり、8時には無風となりました。気温は平年並みでした。
(最高25.4℃・最低8.7℃・平均16.8℃)

【臭気の状況】
朝方は無風だったため臭気が畜舎の回りに停滞し、その時間帯に除糞を行っていたため、比較的強い臭気が感じられると考えられました。朝方以降は比較的風が強く吹くため、臭いが感じられない傾向がありました。

 


【当日の気象状況】
早朝は雨が降り霧がたちこめ、無風でしたが時間が経つにつれ霧が上昇してきました。谷間を霧が渦巻きながら上昇していく様子がわかりました。その後一日曇って風がない状態が続きました。
今回の調査は、調査地点の気象状況を詳細につかみ、臭気との関係を探るため気温と風向の測定を行いました。

【臭気の状況】
朝6時〜9時にかけ、空気の上昇とともに比較的短い時間で断続的に各集落で臭気が感じられました。無風の状態で谷間に溜まった臭気が、上昇気流とともに各集落に漂ったようです。ただし臭気強度は弱い臭いでした。朝方、特に肥育豚の出荷時間と重なったため、臭気を感じる頻度が高かったと思われます。
10時以降は断続的に弱い臭気が感じられました。風がほとんど微風であったため、臭気が固まりで各集落を移動したためと思われます。
前回交換した炭脱臭装置の効果により、臭気の強度は第1回に較べ低くなっています。

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