日に日に秋が深まり、朝夕はひときわ冷え込むようになりました。皆様にはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。また、平素よりはくばSPF豚農場につきまして、格別なご理解と御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、はくばSPF豚農場の環境対策につきまして、ご報告を申し上げます。

 

「6つの約束」を果たすために対策を重ねました

昨年11月の協議会でJAグループが取り組む環境対策として「6つの約束」をいたしました。これまで、これにどう取り組んできたか報告いたします。


約束1

活性炭による脱臭装置は、大きな効果が認められるため、種豚舎・分娩舎・離乳舎・肥育舎及び浄化槽に平成20年5月までをめどに装置を増設して、一層の消臭対策を実施いたします。

【取り組み状況】

右図のとおり、今年5月までに4ヶ所に活性炭脱臭装置を増設しました。

※画像をクリックすると、大きな画面でご覧いただけます。


約束2

既設置済みの活性炭による脱臭装置は、的確な安定稼働に努め脱臭効果を更に高めるための工夫や「消臭ネット等」等の資材補完をさらに強化するなど環境対策を徹底いたします。

【取り組み状況】

活性炭脱臭装置の稼動のほか、さまざまな設備で脱臭を行っています。(設置場所等については右図をご参照ください。)

※画像をクリックすると、大きな画面でご覧いただけます。


約束3

消臭剤は、より効果的な消臭剤の導入と活用を常に継続研究して、臭気の一層の軽減対策に努めます。

【取り組み状況】

  1. 本年3月から、豚の飲み水・洗浄水など農場内で使用する水に脱臭資材酵素「バイオ酵素K」を添加しています。これは植物由来の酵素原液を基に、糖蜜・オカラ・水を混ぜ合わせて生成された天然素材100%の製品です。県内の養鶏農場・養豚場などでも利用されており、臭気の軽減効果が期待されています。
  2. 第2回の臭気調査以降、農場の臭気に対して他のにおいをかぶせる「マスキング剤」の散布試験を行いました。このマスキング剤は、生分解性の天然原料など安全な原料のみを使用した環境対策商品であり、悪臭成分を中和する働きや、フルーツの香りや森林の香りをかぶせる効果を期待しています。

約束4

環境ウォッチャーさんによる活動を継続して、臭気状況と住民の皆様からの情報を大切にした改善対策を実施して、迅速な臭気改善対策に取り組みます。

【取り組み状況】

  1. 今年1月から9月までに農場に寄せられた苦情については、環境ウォッチャーと共に直ちに対応しました。
  2. 日ごろから地域を巡回していただき、環境ウォッチャーを通じて住民の皆様の声を集めるよう努めています。

約束5

行政の皆さまからは、引き続いて適切な環境対策のご指導をいただいて、臭気対策に事業者として万全を期してまいります。

【取り組み状況】

協議会で実施している臭気調査結果を臭気対策プロジェクトチームで毎回検証し、対策を重ねました。対策の経過は「臭気対策プロジェクトチーム 調査結果および対策の概要」をご参照ください。


約束6

住民の皆様には、事業者として情報の定期的な開示と伝達に努めるとともに、優良有機質供給や優良食肉の生産を通じて、地域の発展のために寄与できるように努力いたします。

【取り組み状況】

  1. 農場だよりを定期的に発行し、農場の状況や臭気調査結果などをお知らせしています。
  2. 堆肥の提供により、土づくりや安全な食材づくりのお手伝いをしています。
  3. 「小谷村 食と農を考える集い」にJAグループとして参画し、小谷村50周年イベントにも参加しました。

臭気対策プロジェクトチーム 調査結果および対策の概要

第1回調査
(6月)
《調査結果は》 早朝に比較的強い臭気がありました。
《対策として》 除糞の時間を遅らせるなど、作業工程を変更することにしました。
第2回調査
(7月)
《調査結果は》 早朝の臭気は弱まりましたが、終日にわたり断続的な臭気がありました。
《対策として》 マスキング剤(臭気緩和資材。臭気を別の臭いでかき消す(マスクする)ことで臭いを緩和する効果が期待される)を試してみることにしました。
第3回調査
(8月)
《調査結果は》 マスキング剤(フルーツの香り)には、ある程度の効果がありました。
《対策として》 より効果的なマスキング剤の散布方法を検討し、再度実験することにしました。
第4回調査
(9月)
《調査結果は》 マスキング剤(森林の香り)の効果を確認できませんでした。
《対策として》 フルーツの香りのマスキング剤に戻し、引き続き効果的な散布方法を検討し、更に実験することにしました。
第5回調査
(11月)
《調査結果は》 北風が吹いていたため、通地区において終日にわたり断続的な弱い臭気がありました。


防疫のため、農場の立入制限にご理解をお願いします

近年、鳥インフルエンザ拡大の危険性が高まる中、海外では猫など人間に身近な哺乳類への感染が確認されています。
豚の病気は新しいものが外国から侵入したり、古い病気が復活したり、あるいは今まであった病気が鳴りをひそめたりと、刻々変化します。

SPF養豚は、厳重な防疫体制を取った施設で、特定の疾病防除を目的に実施するものですから、それを確実にするために外部から病気の原因となり得るものの侵入を防ぐことが必須です。
そのため、農場は日本SPF豚協会の定めた基準に従って防疫と飼養管理を実施しています。
外来者の農場内立ち入りは、日本SPF豚協会防疫管理基準の定めで禁止されており、場内はもとより場外事務所への立ち入りも制限されています。
このため、一般の皆さんに農場内をご覧いただくことをご遠慮いただいております。農場に関する情報は今後も農場だよりやウォッチャーさんの活動などで報告させていただきますので、何とぞご理解のほどお願いいたします。

◆万全な衛生管理のために、SPF農場関係者が行っていること

飼育管理者はペットを飼ったり、お弁当の豚肉は禁止されています。
また施設を移動するごとに靴を履き替えたりするなど、舎内に病原体を入れないよう努力しています。
場内に持ち込む物品はすべて消毒外部から来た車、資材運搬車も消毒をおこない、菌が舎内に入りこまないようにしています。

SPF養豚における防疫コントロールのイメージ

はくばSPF豚畜産環境対策協議会に関する情報
  • 6月から9月までに協議会が実施した臭気調査結果がまとまりました。「SPF豚農場周辺地区における臭気調査結果」[PDF 68KB]をご参照ください。
  • 11月4日(火) 今年度第5回目の臭気調査が行われました。
  • 11月中旬 臭気対策プロジェクトチームにより第5回調査結果の検証がなされます。
  • 11月19日(水) 第10回協議会が開催されます。

 

SPF豚農場周辺地区における臭気調査結果

SPF豚農場周辺地区における臭気調査結果(ファイルタイプ:PDF/Adobe Acrobat 68KB)

PDFファイルを見るためには Adobe Reader が必要です。お持ちでない方はこちらから入手してください。
[無料ダウンロードはこちら]

「はくばの豚」ホームページへもどる